能登輪島

14/06/05のブログより


 輪島は旅愁を掻き立てる街である。


 輪島と言えば海産物や野菜、民芸品などの露店が並び、多くの買い物客で賑わう「朝市」が有名だが、世界に類のない漆芸専門美術館や木地作りから漆塗りまでの各工房が集まる「工房長屋」があったりもする。


 しかし、何と言っても印象深いのは、人口約250人(約70世帯)の小さな町、名舟町を発祥の地とする「御陣乗太鼓」で、石川県や輪島市から無形文化財に指定され、約20名が打ち手として活動している。


 その由来は、七尾城を攻略し、奥能登平定に駒を進める上杉謙信が破竹の勢いで名舟村に押し寄せた天正5年、村人たちは鍬や鎌で応戦したものの、一方的な負け戦を強いられていた。


 そんな折、村の古老の指示により樹皮で作った仮面を被り、海藻を頭髪に見立て、太鼓を打ち鳴らしながら上杉勢に逆襲したところ形勢は逆転。見事、戦を勝利に導いたという。


 以来、この戦勝は舳倉島の奥津姫神の御神威によるものとして、毎年奥津姫神社の大祭(名舟大祭・7月31日夜から8月1日)には仮面を被り、太鼓を鳴らしながら神輿渡御の先駆をつとめ、氏神へ感謝を捧げるのが習わしとなっている。


 初めはゆっくり、次にやや早く、最後は最も早く、序・破・急の三段で打ち切り、各自が自由な形で見えを切り、面に応じ個性を生かした芸を入れるのが御陣乗太鼓の見どころであり、聞きどころである。ー御陣乗太鼓保存会HPよりー


青の交響曲's Ownd

ー肩の凝らない面白話や画像がメインですが、旅先で出会う風景や食材、地酒などもちょっぴりご紹介していますー

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